胃カメラ

gastrocamera

胃カメラをした方がいい人とは

当クリニックでは、以下のような症状のある方に、胃カメラの検査をおすすめしています。

胃の症状

胃痛、胃もたれ、上腹部痛、食欲不振、体重減少、吐血、黒色便、タール便

咽頭や食道の症状

胸焼け、胃酸の逆流、のどの詰まる感じ、飲み込みにくさ

その他の症状

原因不明の咳が続いている
※就寝時の胃酸の逆流によることがあります
以前に胃潰瘍やポリープを指摘されている
※胃カメラでの経過観察が望ましいと思われます

検診で異常を指摘されたら

バリウム検査やピロリ菌検査で異常を指摘されたら、なるべく早くに胃カメラを受けてください。

どういった方に胃カメラ検査をおすすめするか

胃の病気(胃潰瘍、胃がんなど)はピロリ感染との関係が深いので、ピロリ感染が疑われる方も胃カメラを受けた方がよいと思われます。
ピロリ感染症は50歳以上の方で感染率が70%(10人中7人が感染)以上と高く、50歳以上で、今まで胃カメラの検査を受けたことのない方は、是非とも検査されることをおすすめします。
また、慢性胃炎はピロリ菌に感染している可能性が高いので、以前に慢性胃炎と診断された方も、検査をおすすめします。

胃カメラとバリウムの違い

胃の検査方法には2種類あります。それは次になります。

  • 上部消化管内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)
  • 上部消化管造影検査(バリウム検査)

これらの検査には、それぞれ表に示した長所と短所があります。

胃カメラ

[長所]

  • 微細な病変や粘膜の色の変化まで観察が可能。
  • 早期胃がん・食道がんの検出に最適。
  • NBI観察を行うことで、より早期ながんまで診断が可能となった。
  • 病変部の細胞を生検し、病理検査に出すことで確定診断が得られる。
  • 内視鏡手術により、ポリープが切除できる。
  • 胃の組織を採取し、ピロリ菌感染の診断が可能。
  • アニサキスの摘出が可能である。

[短所]

  • のどが敏感で反射が強く、とてもつらい思いをすることがある。
バリウム検査

[長所]

  • のどが敏感な人でも検査が可能。
  • 食道から胃・十二指腸までの流れを確認できる。

[短所]

  • 色の変化や浅い陥凹などの早期胃がんはみつけにくい。
  • バリウムで異常があれば、後日胃カメラを受けることになる。
  • バリウムが腸の中で固まり、ひどい便秘になることがある。
  • 微量ではあるが、放射線の被曝があり、妊婦は不可能。

胃カメラとバリウム検査では、検査の精密さにおいて大きな差があり、胃がんや食道がんの早期診断では、明らかに胃カメラが優れています。
また、バリウム検査で異常が見つかれば、後日改めて胃カメラで検査を受けなければなりません。しかし最初から胃カメラを受ければ、がんが疑われる部位の細胞を生検(生体組織検査)し、確定診断することが可能です。
ピロリ菌の有無は、バリウム検査では分りません。しかし胃カメラなら、同時に検査を行うことができます。

当クリニックでは、安心・安全・正確な胃カメラを心掛けています。検査はとてもリラックスして受けていただけますので、検査方法で(バリウムか、胃カメラか)どちらにするか悩まれている方は、是非とも胃カメラの受診をおすすめします。

患者様の苦しさを減らすためにしていること

胃カメラの苦しさには、3つの症状があります。

のど麻酔(咽頭麻酔)がつらい

のど麻酔(咽頭麻酔)がつらい

従来、胃カメラ前に行っているのど麻酔は、ドロリとした痛み止めゼリー(キシロカインビスカス)を数分間にわたりのどにとどめておく方法でした。
「飲んではいけない」といわれますが、口の中や、のどまわりがむくんで腫れるような感じがあり、しびれもあるので、息苦しさで戻してしまう人もいます。
当クリニックでは、胃カメラの直前に痛み止めのスプレーを数回散布するのみです。のどの苦しさは格段に少ないので、ご安心ください。
なお、麻痺したのどは誤嚥しやすい状態になっています。つばを飲み込もうとすると、むせて咳こんでしまうので、つばは飲み込まず、検査前にティッシュペーパーなどで口の外に出してください。

カメラがのどを通るときがつらい

胃カメラで最もつらいのは、嘔吐反射で「オエオエッ」としてしまうことです。嘔吐反射を起こすのは、カメラが舌根部を刺激したときです(舌根部の敏感さは、年齢的な違いがあり、若い方ほど敏感ですが、それ以上に個人差が大きいようです)。
カメラが舌根部を刺激しないためには、いくつかの方法があります。

  • 咽頭麻酔を行う。
  • 被験者(患者様)がリラックスして、のどの力を抜き深呼吸をするようにのどの奥を開くようにする。
  • 内視鏡を行う医師はカメラ操作を丁寧に行い、舌根部を刺激しないように努める。
  • 経口法よりも経鼻法は、嘔吐反射を起こしにくい。
  • 細いカメラ(細径ファイバー)の方が、刺激が少ない。
  • エンドリーダー(内視鏡用マウスピース)を用いる。
  • 鎮静剤を用いる。

当クリニックでは、以上の方法を組み合わせることにより、より苦痛が少ない胃カメラを行っています。

胃カメラ検査の途中から、胃の膨満感や圧迫感、痛みを感じたり、げっぷが出てしまったりする

胃の中を詳細に調べるためには、ある程度、胃の中に空気を送気することが必要です。また、十二指腸までカメラを奥まで挿入すると、胃が過度に伸展して痛みを感じたり、嗚咽(おえつ)してしまったりする人がいます。
胃へ大量に送気したり、カメラを急に奥まで挿入するような無理な操作をしないよう配慮すれば、苦痛を軽減することが可能です。さらに、鎮静剤の使用で、このタイプの苦痛はほとんど解消することが可能です。

以上のように、胃カメラを楽に受けていただく工夫は多くあります。
当クリニックでは、何よりも患者様が安心して受けていただけるよう、検査の前に十分に説明し、笑顔をもってお迎えし、不安を少なくする努力を行っています。
胃カメラに対する不安感は、リラックスすることでかなりの部分が緩和できます。
たとえば、胃カメラが不安な方は、看護師に背中をさすってもらうだけで、気持ちが落ち着き楽になるものです。

胃カメラでわかる病気

胃がん、食道がん、十二指腸がんといった悪性腫瘍の他、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎、胃ポリープ、十二指腸ポリープ、十二指腸乳頭部腫瘍、逆流性食道炎、食道潰瘍、食道・胃の静脈瘤、食道アカラシア、胃粘膜下腫瘍、胃カルチノイド、胃GIST、ピロリ菌感染症といった疾患の診断・検査に有効です。